稲本、長谷部に続けるか。FC東京・橋本拳人が目指す世界のボランチ (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Kommiya Yoshiyuki アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 橋本は日々、ボランチというポジションの在り方を模索している。その点、複数のポジションをこなしていることは、チームを動かす点で大きなメリットになるだろう。不必要なサイドチェンジがサイドバックにどれだけ負担になるか。サイドからダイアゴナルにゴール前へ走る選手がどのタイミングでパスがほしいのか。そういうディテールを、彼は自ら体験することで会得している。

「今シーズンの東京では、得点やそれに絡むプレーが要求されています。どんどん前には入れって。チームが求めるなら、それを選手としてやるだけですよ。ポジティブに捉えて。今は自分が成長するために、一日一日を大事にしていきたいです」

 橋本は野心的な表情で言う。

 地に足はついているが、海外挑戦志向がもともと強い。昨年はU-23代表でガーナと対戦し、対等以上にやり合っている。世界の強敵と渡り合うことで、進化を遂げるタイプだろう。ポジションへの適応もそうだが、相手のプレーを読み、戦いに順応する感性にも優れている。その点、海外でプレーするには大きなアドバンテージになるだろう。果たして稲本潤一、長谷部誠に匹敵するようなボランチになれるか。

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