レイソル大谷秀和が語るボランチ論。「ポスト長谷部」に必要な資質は? (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Kommiya Yoshiyuki 築田純/アフロスポーツ●写真 photo by Tsukita Jun/AFLO SPORTS

「みょうさん(明神)と一緒にやりながら、バランスの取り方を学んだ感じですかね。自分が行くことで、空いたスペースをつかれたり。その失敗によって、行くべきか、行くべきでないのか、判断がつくようになってきました。ボランチは組む選手次第なところもあるかもしれません。その点、代表の長谷部さんと(山口)蛍のコンビは、お互いがいい補完関係を作っていますよね。どちらかが行っても、もうひとりはカバーする形で」

 ひとつ言えるのは、ボランチはリスクに対して敏感であるべき、ということだろう。常に次のプレーをイメージし、チームを旋回させる。それによって、勝利に近づける。

「予測、準備が大事ですよね」

 大谷は語るが、冒頭に記したダイレクトプレーでそれは顕著に出る。

 今シーズンのサンフレッチェ広島戦、大谷はこぼれ球をダイレクトで叩き、30m以上のロングシュートで沈めている。このシーン、前に出すぎたGKの頭上を破っているのだが、味方FWディエゴ・オリヴェイラのポジションと身体の向き、(GKのクリアで転がってきた)ボールの角度から、ディエゴ・オリヴェイラが落としたボール(実際は落としたというよりもトラップが大きくなったのだが)を想定し、間髪入れずに右足を振り抜いていた。

 状況を把握、イメージし、準備を整える。ダイレクトプレーの結実だった。

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