鹿島テクニカルスタッフが明かす、「スカウティングの仕事とは?」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 テクニカルスタッフ。分析のスペシャリスト。どのような瞬間に、この仕事の喜びを感じるのだろうか。

「分析通りに事が運べば、ハマったという充実感を得られますが、それだけではサッカーがつまらなく見えてしまう。思い通りにいくこともあれば、いかないこともある。怒られちゃうかもしれませんが、思い通りにいかないのがサッカーの魅力で、そうした中で勝利の確率を上げるのが、分析担当の仕事の魅力かなと。サッカーは実際に始まってみないとわからない。でも、始まるまでにできるだけ多くの準備をした方が勝利の確率は上がる。そう信じて仕事をしています」

「現場で試合を見る場合は、せっかく会場に来ているんだから、テレビに映らない箇所を見ようとします。気になるシーン、プレーをメモします。それをもう一度後で見直すのですが、チームの傾向はハッキリ出ますね。たとえば、選手が走っていなくてもパスが出るというシーンを見せられると、普段から練習しているプレーなのかな、と」

 昨年のJリーグチャンピオンシップ決勝。浦和に逆転勝ちした第2戦が行なわれたのは12月3日で、クラブW杯の第1戦、対オークランド・シティ(ニュージーランド)は、そのわずか5日後(12月8日)に迫っていた。

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