鹿島テクニカルスタッフが明かす、「スカウティングの仕事とは?」 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 小杉氏は東京学芸大学大学院出身。同大サッカー部の2学年先輩には、日本代表の現分析担当者、湯浅理平氏がいる。

「2001年のユニバーシアード(北京)に、学生からテクニカルスタッフを出そうということで、当時大学院生だった湯浅さんがチームに帯同することになった。優勝という結果が出たので、『2年後の大会(大邱)も学生スタッフで』となり、その役が僕に回ってきたのです。メンバーには大学の2年後輩にあたる岩政大樹がいました。そこで優勝。2連覇を達成し、次のイズミル大会(トルコ、2005年)は3連覇だ! ということに。そこでまた声をかけてもらい、優勝。3連覇を達成しました。大学院を卒業し、FC琉球でコーチをしているときです。その後、FC刈谷のコーチを経て、鹿島に分析担当として招かれたというわけです」

「当初の希望はプロコーチでしたが、湯浅さんがFC東京に分析担当として呼ばれ、プロの現場に仕事として関わる方法は他にもあると知り得たことが励みになった。大学の同期でプロになった選手がいましたが、彼らは引退してコーチになれば、選手時代の経験を活かすことができる。そうした中で、僕が彼らと競い合おうとすれば何が必要かと考えたとき、分析は自分の武器になるかなと思い、本格的に勉強を始めました。分析のプロになろうと思って、この道に進んだわけではありません。運がよかったというか、やはりユニバーシアードのスタッフに呼んでもらい、結果を出したことが大きかったと思います」

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