3試合連続ゴールは「断食」の成果?サガン鳥栖・豊田陽平の肉体改造 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「記録に関しては、ひとつ区切りがついたというか、吹っ切れた気はします。心機一転で、オフは気になっていた歯の矯正をしたり。(心身を)まっさらにしたかった」

 そう明かす豊田は、肉体のケアにはこれまでも手を尽くしてきた。練習場には誰よりも早く現れ、トレーニングルームでゆっくりと身体をほぐす。集合時間ギリギリに来る若手もいる一方、彼は心身を徐々に高め、万全の準備で臨んできた。そのディテールが、ダイナミックな得点シーンを生み出してきたのだ。

 例えばマウスガードもこだわりの一つだろう。日本ではまだ使用する選手が少ないが、噛み合わせで(無理なく)最大限の力を引き出すため、早い段階で採り入れた。その効果を数値化することは難しいが、事実として、ほとんどケガがないシーズンを過ごしている。

「無事是名馬(ぶじこれめいば)」

 それは豊田というストライカーを表すのにふさわしい表現だろう。2010年に鳥栖に入団以来、7シーズン連続で30試合以上に出場(カップ戦含む)、同じく2桁得点を記録し続けている。

 その不屈の男が、さらに深く自らの肉体と向き合うため、今シーズン新たに取り組んだのがファスティングだった。

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