6試合わずか1点。すべて悪循環の
大宮アルディージャが本当にヤバい

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

 連敗が続く状況では、あらゆる意味でテコ入れも必要だろう。もちろん指揮官も手をこまねいて見ているわけではない。神戸戦では、FWドラガン・ムルジャをジョーカーで起用する大胆な策に打って出ている。

 最近の2試合を振り返り、「今までは(先発出場の)ムルジャが(DFラインの)裏に走って、"チャンスは作るが、点は入らず"という形が多かった」と渋谷監督。そこで、神戸戦では「後半のほうがスペースが生まれるので、ムルジャを後半に点を取りにいくためのカードにした」。

 こと攻撃に関しては大黒柱と言っていいエースを、スーパーサブとして使う苦肉の策も、しかし、功を奏すことはなかった。6試合でわずか1点しか取れないのでは、勝ち点3はおろか、勝ち点1さえも程遠い。

 あまりにもミスが目立つ攻撃に、スタンドからは怒気を含んだ嘆息ばかりが漏れた。サポーターがわずかに沸くのは、大宮ユース出身の19歳、MF黒川淳史がボールを持ったときだけというのでは、あまりに寂しすぎる。

 渋谷監督は「次の敗戦は大きなダメージになる」と危機感をあらわにし、「本気になってこの状況を打破するために、我々現場(のスタッフ、選手)が次のゲームへの準備をしなければいけない」と、悲壮な覚悟を口にした。

 と同時に、長年携わってきたクラブの危機的状況に「いろんなことを考えないといけない」と、自らの辞任も選択肢にあることすらにおわせる。

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