6試合わずか1点。すべて悪循環の
大宮アルディージャが本当にヤバい

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

 渋谷監督は、「選手個人はよくがんばっているが、チームとして攻守で一体になるところが足りない」と選手をかばったが、その言葉に素直にうなずくのは難しい。

 攻撃にしても、自陣からパスをつないで組み立てようとする意図はうかがえたものの、実際は無為な横パスばかりが目立った。チーム全体の動きが止まった状態で、"バレバレ"の縦パスを入れようとするケースも多く、「(縦パスが)足もとに入ってきたときを狙ってインターセプトできた。(大宮に攻撃を)自由にやらせなかったのではないかと思う」(神戸のDF岩波拓也)となるのも仕方のないことだった。

 これまでの6試合で、大宮のシュート総数はJ1最少タイの39本。1試合平均わずか6.5本という少なさのうえ、試合ごとのシュート数が開幕戦から順に、9、8、8、6、4、4と漸減しているのも気になる。得点になるかどうかの前に、攻撃が完結するところまで至らなくなってきていることを数字が示している。

 攻撃がうまくいかず、縦パスを奪われてはカウンターを受けることが多くなるため、DFラインは押し上げることができない。結果的に中盤を大きく空けることになるため、セカンドボールが拾えない。

 ロングボールやカウンターから、わずかながらチャンスも作ってはいるのだが、いずれも単発に終わり、厚みのある連続攻撃につなげられない理由は、そこにある。渋谷監督も「セカンドボールを拾えなかったことが敗因」と話しているとおりだ。大宮は明らかに悪循環に陥っている。

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