6試合わずか1点。すべて悪循環の大宮アルディージャが本当にヤバい (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

 ボール支配率は互角。だが、パスをつなぐ時間の多くを敵陣で過ごす神戸に対し、大宮は自陣でのパス回しに使う時間が長かった。相手ゴール方向への推進力という点で、現在のチーム状況を表すかのように、両者の間には大きな差があったのだ。

 それでも、自陣の低い位置ながらもコンパクトな守備ブロックを形成し、確実に相手の攻撃を潰していたのなら、まだいい。だが、実際の大宮のディフェンスはあまりにも緩かった。驚くほど簡単にバイタルエリアへパスを通されてしまい、そこからワンツーやDFラインの裏へのスルーパスなど、やられ放題。まるで練習でのミニゲームのごとく、面白いようにゴール前でパスをつながれたのでは、失点するのも時間の問題だった。

 試合序盤こそ、最後の最後でゴール前に人数をかけて、どうにかクロスやシュートを防いではいたが、それだけで90分間持ちこたえるのは無理がある。

 挙句、せっかくのマイボールを、超がつくほどのイージーなパスミスから相手に渡して先制点を献上してしまっては、勝負にならない(DF奥井諒が、自陣で神戸のFW渡邉千真へパスしてしまい、渡邉のクロスをMF中坂勇哉に決められた)。

 また、パスミス自体も大きな問題ではあったが、守備の人数は十分にそろっており、渡邉のクロスを防ぐことは十分可能だったはず。ボールを失ったあとの対応もまた、あまりに緩く、軽かったと言わざるをえない。

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