6月イラク戦へ。福田正博が、本田圭佑と酒井高徳の「戦力度」を考える (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 現在の本田が日本代表の「戦力」になりえているのか、イラク戦で本田の力が必要かどうかは、懐疑的と言わざるを得ない。

 たしかに、W杯本大会のように1ヵ月近く一緒に過ごすのなら、日韓W杯の時の中山雅史や秋田豊のように、経験豊富な選手をチームのまとめ役として呼ぶ意義もある。しかし、アジア最終予選で選手が行動を共にする時間は1週間ほどしかなく、ほとんどが移動に費やされるため、チームをまとめる時間はあまりない。そんな状況では、試合に出た時に「違い」を見せられなければ、本田の存在意義は薄まっていく。

 UAE戦、タイ戦でのプレーからは、本田が日本代表内のヒエラルキーの上位に立つだけの力は見られなかった。所属クラブで試合に出場機会がない本田が今後も厚遇され続ければ、他の選手たちに不満が生じてもおかしくない。

それも含めて、ハリルホジッチ監督はチームをマネジメントしていくとは思うが、本田は「実績」ではなく、「戦力」としての価値を証明すべき時期にある。無論、こうした声があることは本田自身もわかっているはず。外野の雑音を封じ込めるようなプレーを見せてくれることを期待している。

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