エムボマ級か。鳥栖のコロンビア代表イバルボが見せたポテンシャル (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 もっともイバルボは欠点の多い選手でもある。運動量は極端に少ない。守備面は周りがカバーすることになった。予備動作が乏しく、あまりマークも外せていない。

「あまり動かないし、まだ特長をつかみ切れていないところもあります。でも、試合になるとこれだけやれる。ボールも持てますしね」

 鳥栖のインナー(3ボランチの右)に入った小野裕二の証言は端的だろう。

 イバルボは点取り屋というタイプではない。ゴールをするポジションを取る駆け引きよりも、そのひとつ前でボールに触って、前を向いたときに怖さが出る。突出した肉体能力を持つことで、"足下に入ってからでも勝負ができる"という意識が染み付いているのか。ゴールに対する意欲も直接的ではない。欧州で各チームを転々とするものの、一度も二桁得点を記録していないのは必然だろう。

 これはエムボマにも共通する点で、ゴールゲッターになるには一発で仕留めるためのしたたかさと集中力の継続性が欠かせないのだ。

 一方で鳥栖には、ゴールゲッターの人生を無骨に究めてきた豊田という男がいる。

「トヨダとのコンビはいいよ。スペースを作ってくれる動きをしてくれる。自分はそこでタイミングをつかむだけでいい。すでにサポート関係が作れている」

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