超攻撃的なジェフ千葉が失速。元アルゼンチン代表の「野心」が空回り (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO SPORTS

「絶対にゴールする、という覚悟を決めてプレーしてほしい」

 エスナイデルはアルゼンチン人らしく、覇気の足りなさに敗因を探していた。「自分がピッチにいたら、3、4点は叩き込んでやるのに」と無念さを覚えただろう。ゴール前のプレーに関し、理想とするイメージとのギャップは大きいはずだ。

 しかし現実的に、高いラインでプレーするにはもっと精密なプレスの回路(練度の高さ)が必要だろう。ボールを握り、運ぶ力も明らかに足りない。なにより、1対1の守備の部分で簡単にはがされる場面が目立ち、そこで前を向かれると、最終ラインは背中にナイフを突き立てられたような状況になってしまう。とりわけ左サイドの裏は脆弱で、今後も狙われるはずだ。

「2試合続けて(松本戦に続いて)、上に行くチャンスを逃した」

 エスナイデルは苛立ちを隠さずに語った。千葉は暫定で9位に後退。スローガンだけが空回りしている。選手が監督の戦術にアジャストするのか、監督が選手を戦術にアジャストさせるのか。いずれにせよ修正は求められる。さもなければJ1の舞台はまたも彼方に消えることになるだろう。

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