超攻撃的なジェフ千葉が失速。元アルゼンチン代表の「野心」が空回り (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO SPORTS

「ハイプレス、ハイライン」

 前線から果敢にプレスし、高いラインで主導権を握る。3-1-4-2という陣形も独特だ。理屈的には、「90分間、攻め続ける」という画期的な戦い方だろう。

 開幕3試合は2勝1分けで上位に躍り出て注目されたが、前節は松本山雅に完敗。湘南戦は「序盤戦のヤマ」だった。

 この日も千葉は試合序盤からバックラインの位置を高くし、ポゼッションで優位に立ち、イニシアチブをとっている。前半20分、波状攻撃から左クロスに清武功暉がヘディングで飛び込んだシーンは迫力を感じさせた。たとえボールを失っても、自陣から遠いためにピンチになりにくく、敵陣でプレスをかけることで、オフサイドの罠にもはめた。

「自分たちはこの戦いをすると、開幕前から決意を持って取り組んできています」

 元パラグアイ代表MFエドゥアルド・アランダは明かしている。アランダは司令塔役。中盤でダイレクトパスを入れ、前衛と後衛をつなげ、幅を使い、チームを動かす。

「ボールを持って、主導権を握って、攻撃的に戦う。開幕から3試合は、それで結果が出ましたね。湘南を相手にしてもその戦いはできたと思います。しかし、湘南はよく持ちこたえて守り、効果的にカウンターを使ってきました。松本戦もそうですが、(最初の3試合と違って)かなり研究されてきているな、という実感はあります」(アランダ)

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