悪くはないが......。アルビレックス
新潟はやっぱり「降格候補」なのか

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 ボランチを務めるルーキーのMF原輝綺は、「縦パスが入ったときの(前線の選手同士の)距離が遠い。(縦パスを)入れても失うのでは意味がない」。2トップのサポート役となるべきMF山崎亮平は、「(左右サイドハーフの)自分や(MF加藤)大のところでもっと時間が作れれば、攻撃の厚みが作れたと思う。理想としては、もっと(チームとして)ボールを持つ時間を増やしたい」と、課題を口にした。

 もちろん、ミスが起きたからと、すぐに諦めてしまったのでは形にならない。攻撃の姿勢からは、何をやりたいのか、その意図を感じるだけに、やり続けるに値する挑戦だとも思う。

 しかし、J1残留がかかる新潟にとっては、内容と同等か、それ以上に結果が重要。未勝利の状況に目をつぶり、目指すべきスタイルを追求することの限界もあるだろう。また、個人の能力で局面を打開しようにも、FWラファエル・シルバ(→浦和レッズ)、MFレオ・シルバ(→鹿島アントラーズ)は昨季限りでクラブを去った。新外国人選手は彼らに比べると、小粒感が否めない。

 幸いにして横浜FM戦では、ミスからさらに失点を重ねることはなかった。だが、これだけ何度も自滅に近い形でボールを失ってしまうと、せっかく意図を持って攻撃を作っていこうとする姿勢も揺らぎかねない。

 悪くない。

 だが、それだけでは生き残れないのも、また現実である。

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