「マイアミの奇跡」伊東輝悦は、まだ現役。鉄人の挑戦は終わらない (3ページ目)

  • 望月文夫●文 text&photo by Mochizuki Fumio

 伊東自身、その辺りはよく自覚している。

「コンディションは上がっているので、このままいい状態を作っていければと思っている。もちろん、試合に出たい気持ちは強いけど、出られるかどうかは、自分のプレーや動きを見て、チームがどう判断するか、だね」

 現役にこだわり、試合出場への思いも強い伊東だが、年齢を重ねるごとに、考え方には若干の変化が出てきている。

「今は、試合出場がすべてではない。別の形でチームに貢献することも重要だって思いもある。長野や秋田でもそうだったけど、今はJ3に上がった沼津がクラブとして発展していくために、何かしら力になれればいいと思っている」

 実際のところ、すでに伊東の存在はチームメイトに好影響を与えている。MF菅井拓也(25歳)が言う。

「(42歳の)テルさんががんばっているのは、すごく刺激になっている。その分、若い自分たちもポジション争いで負けるわけにはいかない、という気持ちになる」

 さらに、MF前澤甲気(23歳)はこう語る。

「(伊東の)いい部分はどんどん盗んでいきたい。また、テルさんを見ようと少しでも観客が増えれば、沼津にはこんな選手もいるんだ、と自分の存在を知ってもらうチャンスになると思っている」

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