福田正博が熱く推薦。UAE戦メンバーに加えるべき国内組が2人いる (5ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 ただ、このフォーメーションは現在の日本代表にはメリットがある半面、課題もある。4-4-2の場合、ボランチの選手には遠藤保仁(G大阪)や中村憲剛(川崎F)のように、パスを捌き、展開しながら機を見てゴール前のスペースに出ていく能力が求められる。しかし、今の代表でボランチをつとめる長谷部誠、山口蛍、永木亮太といった選手たちは、どちらかといえばパスを捌くよりは、相手からボールを奪取することを得意にしているタイプだ。

 もちろんJリーグにも、パスを特長にするボランチはいる。井手口陽介(G大阪)は負傷を抱えているため無理はさせられないが、9月のUAE戦で代表に抜擢された大島僚太(川崎F)も日本代表に値する選手だ。パスを捌き、機を見てゴール前のスペースに飛び込む能力は、若手で随一と言っていい。ただ、大島は前回のUAE戦で抜擢されたものの、敗戦後にハリルホジッチ監督から名指しで批判された。これをバネにして大きく飛躍してくれるのがベストではあるが、現時点で彼に全てを賭けるのはリスクもある。

 というのも、重圧がある試合に抜擢され、それ以降に挽回のチャンスが与えられなかった大島に、再び重圧のある試合を任せて結果が出なかった場合、大島が受ける精神的な痛手は想像に難くないからだ。

 これは大島だけに限らないことだが、堂安律(G大阪)や三好康児(川崎F)など、今後の日本サッカー界を担うべき才能を持つ若手は、一歩ずつ経験を積ませていくような起用をしてもらいたい。「温室で育てても強くならない」という意見もあるが、日本はまだ、ブラジルやアルゼンチンなどの強豪国のように放っておいても次から次に才能豊かな選手が育つ環境ではない。それだけに、高い能力の選手は大切に育てていかなければいけない。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る