ひとり別次元のマリノス齋藤学、シビれるプレーで「左サイドを制圧」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 試合前から齋藤は語っていたが、まさに左サイドが戦術軸になっていた。先制点だけでなく、ほとんどが左で崩す展開。54分には齋藤が相手ディフェンダーから敵陣でボールを奪い、そのままシュートに持ち込み、GKが弾いたところを富樫敬真が抜け目なく押し込んだ。73分には、齋藤が左奥に出したボールを天野純が折り返し、ウーゴ・ヴィエイラが中央で華麗に合わせた。

「学くんは必ず見てくれている。ドリブルをしながら、相手に突っかけながら自然に出したいようなので。そこは信じてポジションを取ってます」(富樫)

 その信頼関係に、横浜の連係のよさが生まれているのだろう。

 今シーズン、横浜は右サイドの攻守のレベルが目に見えて低下した。昨季まで所属していた右SB小林祐三の不在が大きいのは明白だろう。右MFマルティノスはタクティカルスキルが低く、ビジョンが狭いため、ためを作れず、しばしば突っ込むだけ。そのせいで、新加入の右SB松原健も目を覆うようなミスを繰り返している。

 しかし、今シーズンからキャプテンになった齋藤は力強く言う。

「新しく入ったわけだし、若い選手だから、これから。そこは自分が補っていけばいい。みんなのいいところを出しながら、いいチームにしますよ」

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