ひとり別次元のマリノス齋藤学、シビれるプレーで「左サイドを制圧」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「楽しかった」

 2017Jリーグ第2節、コンサドーレ札幌戦後だった。この夜、無双を誇った齋藤学(横浜F・マリノス)はそう洩らしている。簡潔だが、素直な感想だろう。

コンサドーレ札幌戦で3得点すべてに絡む活躍を見せた齋藤学コンサドーレ札幌戦で3得点すべてに絡む活躍を見せた齋藤学「サッカーを楽しみたい。自分がピッチで心から楽しめているか。その姿を観ている人に伝えたい」

 齋藤はそれを一番に心がけ、日々を過ごしてきた。おかげで、"人を楽しませる"境地に達しつつある。このレベルの選手をJリーグで拝めることを喜ぶべきだろう。

「札幌はレッズと違って、後ろに人数をかけて守ってくると思うんで、それをどうやって崩すのか。それを考えるのが楽しい」

 齋藤は開幕戦で浦和レッズを打ち破った直後、すでに次節の札幌戦に思いを巡らせていた。浦和戦は左サイドで元日本代表の森脇良太を翻弄。そんな事実に、少しも満足を覚えていなかった。

 その札幌戦の齋藤は、ひとり違うステージに立っていた。

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