「駒井善成」というオプションが、レッズの複数タイトルを後押しする (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio


ACLのFCソウル戦で活躍した「ボランチ」の駒井善成ACLのFCソウル戦で活躍した「ボランチ」の駒井善成 昨季、京都サンガから移籍してきた駒井の最大の武器は、切れのいいドリブル。京都のアカデミー(育成組織)に所属していた10代のころから、高速ドリブラーとして名を馳せた駒井は、浦和加入後も3-4-2-1の「4」の右サイドを主戦場とし、縦への突破を期待されてきた。実際、ゼロックス杯ではそのポジションで先発し、ドリブルで何度かチャンスを作っている。

 だからこそ、駒井がボランチとして先発のピッチに立っているのを見て、少々意外な印象を受けたわけだが、本人曰く、「京都でも最後のシーズン(2015年)はずっとボランチで出ていた。自分的にはボランチも好きなポジション」だという。事実、この抜擢は想像以上にハマっていた。

 ペトロヴィッチ監督にしても、駒井のボランチ起用を突然の思いつきで決めたわけではなかった。饒舌(じょうぜつ)な指揮官は「私は(選手を見極める)いい眼を持っている自信がある」と言い切り、こう語る。

「駒井にはどのポジションが適当なのか、十分に理解していたつもりだ。ただし、あのポジション(ボランチ)はチーム全体の戦術を理解していないと務まらない。若い選手を安易に使って失敗してはいけないので、しっかりとその時期が来たときに起用することが大事。どのタイミングで起用するかを判断してきたが、今日がそのタイミングだった」

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