キングの祝福ムードに敗戦。それでも松本山雅はJ1昇格候補なのだ (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 梁川 剛●撮影 photo by Yanagawa Go

 昨季はシーズン終盤までJ1自動昇格圏内となる2位につけながら、最後の最後で清水エスパルスが繰り出した強烈な"末脚"に差されて、3位に終わった松本。結局、J1昇格プレーオフでもファジアーノ岡山に敗れて、J1昇格は果たせなかった。

 だが、1年でのJ1復帰が簡単なタスクではないことは数々の歴史が証明するなか、昨季の松本の健闘は高く評価されていいはずだ。清水の驚異的な追い上げに屈しはしたが、松本が失速したわけではない。事実、松本がシーズンを通してコンスタントに積み上げた勝ち点84は、一昨季の自動昇格水準(2位ジュビロ磐田の勝ち点82)をも上回る。

 確かに、開幕戦で敗れはした。祝福ムードのなか、カズに花を持たせる結果となったが、内容はそれほど悪くなかった。満員札止めのスタンドも、よくよく見渡せば半分以上は緑のサポーター。今季も強力な後押しを受けられそうだ。反町監督は語る。

「ここから這い上がっていくのが山雅。持っているものを出し惜しみなくやらなければいけない。次に向けていい準備をしたい」

 松本は今季もまた、有力なJ1昇格候補のひとつである。

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