風間監督の描くサッカーと、
1年でのJ1昇格。名古屋は両立できるか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 川崎フロンターレでもそうだったように、風間監督が標榜する独特な攻撃スタイルは、一朝一夕で習得できるものではない。チーム全体で同じ絵を描けるようになるには、相応な時間が必要だろう。

 一方で名古屋には、「1年でJ1に復帰する」というミッションがある。限られた時間のなかで、現実的に勝ち点を積み上げていかなければいけない状況に置かれているのだ。

 この試合でも感じられたことだが、J2では個の力が試合を大きく左右する。細かい連係よりも、なかば強引にこじ開けていくほうがチャンスにつながる場合もある。実際、この日生まれた名古屋の2得点はそうした形であり、岡山の長澤徹監督も「本質的なところで上回られ、それが直接失点につながってしまった」と、試合を振り返っていた。

「昇格」というテーマを成し遂げるのであれば、それでもいいだろう。しかし、J1復帰のその先にある「名門復活」というテーマを見据えれば、風間監督のサッカーを具現化することが何より求められる。理想と現実のギャップを、いかに埋めていくのか――。それこそが、2017年の名古屋の最大の焦点となるだろう。

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