歴史は繰り返すのか。フロンターレのJ2降格が頭をかすめた今季初戦 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「イメージを共有して、自分たちの攻撃の形を出していかないといけない。いいときもあったが、その回数をもっと増やしていかないと。いつ(パスを受けるために)顔を出すか。そこがズレると(相手の守備陣形は)崩れていかない。コミュニケーションを取ってやっていくしかない」

 昨季J1年間勝ち点2位(年間順位は3位)の川崎は、普通に考えれば、今季も優勝候補の一角だろう。

 だが、およそ5年間をかけ、現在の川崎のスタイルを作り上げた風間八宏監督(→名古屋グランパス)が昨季限りで退任したばかりか、3年連続J1得点王となるなど、川崎の爆発的な得点力を支えてきたFW大久保嘉人(→FC東京)もチームを去った。川崎は今季、いわば過渡期を迎えている。

 思えば、2012年、ガンバは西野朗監督の長期政権から転換を図った結果、前年の3位から17位へと大きく順位を落とし、J2降格の憂き目を見た。

 また、セレッソ大阪は断続的に続いたレヴィー・クルピ体制からの転換を図った2014年、同4位から17位へと大失速し、J2へ降格した。

 ACLに出場するほどのクラブでも、一度歯車が狂ってしまえば、瞬く間にJ2へ降格してしまう。そんな「まさか」が起こりうるのが、よくも悪くもJ1なのである。

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