浦和、神戸、柏、広島、磐田...。福田正博が分析するJ1各クラブの力 (6ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

 札幌、清水と共に、昨シーズンかろうじて降格を免れたアルビレックス新潟やヴァンフォーレ甲府がどこまで踏みとどまれるかにも注目したい。

 その中でおもしろい存在なのが甲府だ。毎シーズン降格候補にあげられながら、J1に復帰した2013年は15位、2014年と2015年は13位、2016年が14位。開幕戦からシーズン最終戦まで、一貫して残留を目指した戦い方に徹した結果ではないだろうか。たしかに、J1在籍年数が伸びることで目標を上位進出に変える判断もあるかもしれないが、それよりもクラブとしての最優先事項はあくまでも「残留」と、はっきりしていることの表れといえる。

 今シーズンから、成績にかかわらず手にできる均等分配金は、J1は3億5000万円、J2は1億5000万円。この2億円の差は、財政的に恵まれないクラブにとっては大きい。J1で生き残る方策を培ってきた甲府が、今シーズンも15位以上を死守できるか注視していきたい。

 最後は、昨シーズン勝ち点1位の浦和レッズについて触れておこう。今シーズンもサッカーのスタイルは大きく変えずに精度やコンビネーションを高めているため、不確定要素が他クラブよりは少なく、18クラブのなかで最も安定感があるといえる。

 新戦力は、ラファエル・シルバ(←新潟)、長澤和輝とオナイウ阿道(←ジェフ千葉)、矢島慎也(←ファジアーノ岡山)、菊池大介(←湘南ベルマーレ)ら。1トップに入るラファエル・シルバはボールをしっかりおさめて周りをうまく使うことができ、さらに、昨年までの浦和にはあまりなかった「ひとりで攻め込めるスピード」もある。

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