浦和、神戸、柏、広島、磐田...。福田正博が分析するJ1各クラブの力 (5ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

 広島にとってACLを戦うことは、アジア各地に移動するという点でも相当な負荷になっていた。今シーズンで森保一監督体制は6年目を迎え、一部の主力がベテランの域に入ってきているなか、ACLがないことで肉体的な消耗は減る。

 とりわけ、シーズン開幕直前に31歳になった青山敏弘が、コンディションを整える時間があることは重要だ。攻守の要である彼が、リーグ戦に集中して万全の体調で臨めることは大きい。攻撃面では、佐藤寿人が名古屋に移籍し、ピーター・ウタカの去就は不透明だが、昨シーズンアメリカのMLSでプレーしていた工藤壮人の加入で穴は埋まると見ている。

 広島は、森保体制になってからの過去5シーズンで、合計3度、得点王を輩出している(佐藤寿人が2度、昨年はピーター・ウタカ)。これは個の力もあるが、それ以上に広島というチームがFWに求める役割が明確なことが関係している。広島の攻撃はサイドからボールをゴール前に入れる傾向が強く、FWに求めるのはそうしたボールに対して、いいポジショニングを取ること。新加入の工藤はそれが得意なFWで、なおかつ得点能力が高い。今シーズンは大久保嘉人(FC東京)、小林悠(川崎)と共に得点王を争うのではないか。

 J1に復帰したコンサドーレ札幌は、(小野)伸二が5年ぶりにJ1に戻ってくることが楽しみであるものの、チームとしては守備で粘り強く我慢できるかにかかっている。これは、昇格組の清水エスパルスにもあてはまる。大前元紀が大宮アルディージャへ移籍したこともあり、攻撃がチョン・テセ頼みになってしまうと苦戦が予想される。

5 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る