浦和、神戸、柏、広島、磐田...。福田正博が分析するJ1各クラブの力 (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

 一方、俊輔のような「スペシャルな日本人選手」というのは限られた存在のため、外国人選手の力に頼るチームも多い。とりわけ、ブラジル人選手は攻撃面での爆発力が大きいが、その反面、気分が乗らないとサッパリという傾向もある。また、昨シーズンのG大阪のパトリックのように、故障での長期離脱はどの選手にも起こりうることで、圧倒的な個の力を武器にする外国人が抜けた時、攻撃力が低下してチームの歯車が狂う危険性も高くなる。

 そのため、柏レイソルやヴィッセル神戸のような「攻撃は外国人が軸」のチームは、試合ごとの外国人選手の出来不出来に左右される影響の範囲を、いかに小さくできるかが課題になるだろう。

 柏レイソルは、長いシーズンでも大崩れせずに安定した戦いができるチームだと思う。守備をアカデミー出身の若い日本人選手が担い、攻撃はブラジル人選手が担うという、バルセロナのようなチーム構成だ。GK中村航輔、DF中山雄太、中谷進之介、輪湖直樹といった若いタレントが揃う守備陣は、昨シーズンも安定した守備で1stステージ7位、2ndステージ5位に貢献した。彼らは、昨シーズンの経験を糧にさらなる成長を見せてくれるはずだ。

 柏が優勝争いに絡むには、ブラジル人選手たちのマネジメントが重要になる。クリスティアーノ、ディエゴ・オリヴェイラに加え、仙台から獲得したハモン・ロペスの3選手とも、昨シーズンのJリーグで2桁得点を記録した。現時点ではまだ「+1」に過ぎないハモン・ロペスの加入が、どんな化学反応につながっていくのか。ハモン・ロペスがフィットして攻撃力が増せば、柏は優勝戦線をかき回す存在になると思っている。

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