サガン鳥栖、J優勝も現実的な目標に。カギは新戦力たちのアジャスト (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 共同通信●写真 photo by KYODO

 オフサイドでゴールが取り消されたシーンでも、CB2人が大きく割れてしまうなど、ポジショニングの微調整は必要になるだろう。

 失点シーンについてさらに言えば、相手FWが勝手にシュートを打てるコースを狭めていたにもかかわらず、決められている。GK権田修一(←SVホルン)も「日本で最高のGK」(フィッカデンティ)としては、物足りない。真剣勝負から離れたプレシーズンマッチで勘が鈍るのは仕方ないが......。

「もっとよくなるとと思います。まあ、初めてやる選手が多かったですしね。僕個人としても、チームとしても、果てしなくよくなる可能性があるんじゃないかと」

 権田自身も決意を新たにする。

 現状、昨季までのメンバーの戦術"駆動力"は高い。その一方、新戦力はシステムやコンディションを適合させている途中といったところか。それでも水野晃樹(←ベガルタ仙台)、原川力(←川崎フロンターレ)など駒は揃っただけに、戦力は確実にアップ。水原戦は大事をとって欠場したが、ベルギーから戻ったFW小野裕二(←シント=トロイデンVV)も開幕には間に合いそうで、鳥栖の起爆剤になるかもしれない。

 Jリーグ優勝は、現実的な目標になった。

「おれは負けるのが嫌いだ」

 そう言って選手たちを叱咤激励してきたイタリア人指揮官だが、勝利の算段は整いつつある。

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