王者復活を目指すジュビロ磐田。
「中村俊輔効果」は本当にあるのか

  • 望月文夫●文 text&photo by Mochizuki Fumio

 ピッチ外もさることながら、当然期待されるのはピッチ内での"俊輔効果"だ。昨季のチーム得点王、FWジェイが退団したが、「それを補って余りある」とチームスタッフは口をそろえる。

 その言葉の真実味は、キャンプインしてから随所で示された。特に実戦の中で"俊輔効果"が際立ったのは、DAZNニューイヤーカップ・鹿児島ラウンドのロアッソ熊本戦(1-1)だった。

 中村は70分間出場し、得点に絡む場面こそなかったものの、今季名古屋グランパスから移籍してきたFW川又堅碁へ絶妙なパスを連発。熊本のDF陣を翻弄した。

 試合後、「(中村からは)確実にチャンスボールをもらえる」と表情を緩ませた川又。2013年シーズン、アルビレックス新潟時代に23得点をマークした新FWとのホットライン誕生に、周囲も期待を膨らませている。

 ゴールの可能性が高まったのは、もちろん川又だけではない。前線の選手たちは「俊輔さんがボールを持った瞬間、こちらがうまく動き出せば、必ずいいボールがくる」と、皆同じコメントを発し、"俊輔効果"を認める。

 その結果、いくつかのホットラインが出来上がれば、ジェイひとりに頼っていた得点力も埋め合わせができる。そうして全体的な破壊力が増せば、昨季の年間37得点は優に上回ることができるだろうし、順位も昨季(年間13位)以上の成績が見込めるはずだ。

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