Fリーグ10年目で初の1位陥落。
「絶対王者」名古屋は返り咲けるのか

  • 河合拓●取材・文・撮影 text & photo by Kawai Taku

 大阪躍進の立役者となったのは、FPアルトゥール、FPヴィニシウス、FPチアゴというブラジル人トリオだ。昨シーズン、MVPと得点王に輝いたヴィニシウスは今シーズンもリーグ最多の43得点を記録。また、高いボールキープ力を誇り、最前線でボールの収めどころにもなるチアゴはリーグ2位の37得点、ボールを奪い取る力が強く、距離のある位置からも精確なミドルシュートを叩き込むアルトゥールはリーグ3位の33得点と、3人で得点ランクのトップ3を独占した。

 また、3人の外国籍選手と並んで出場時間の長かった日本代表のFP小曽戸允哉(おそど・のぶや)とFP加藤未渚実(かとう・みなみ)も、それぞれ小曽戸が26得点(6位)、加藤が22得点(7位タイ)を決めている。Fリーグ新記録となるシーズン186ゴールを挙げた大阪だが、そのうち161ゴールをこの5人で挙げたのだ。

 大阪の指揮官として3シーズン目を迎えた木暮賢一郎監督は、ブラジル人トリオのうち、ふたりを常時ピッチに立たせた。日本人選手では小曽戸と加藤のふたりが長時間ピッチに立ち、状況に応じて元日本代表FP村上哲哉、FP佐藤亮、FP田村友貴といった選手が起用された。多少、乱暴に表現してしまえば、もっとも力のある選手たちを可能なかぎり出場させ続けたのだ。

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