1ステージ制は選手層。福田正博が予想する今季のJリーグ上位クラブ (5ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • Photo by Kyodo News

 昨年の上位陣のほかに、今シーズンの躍進を期待できるのが、セレッソ大阪とFC東京だ。

 J2からJ1に昇格したセレッソ大阪は、セビージャから清武弘嗣が復帰を果たした。清武を呼び戻すためにクラブは約7億円を支払ったと言われているが、このご時世、日本人選手を獲得するためにこれだけの移籍金を用意するのは簡単ではない。ここからも、C大阪の「本気度」が伝わってくる。

 清武とキャンプ中に話をする機会があったが、とてもスッキリした表情をしていたのが印象的だった。移籍前には「もっと海外のクラブでプレーしたい」「いい状態の時にJリーグに戻ってプレーしたい」と気持ちが揺らいだものの、W杯出場へ日本代表を導かなくてはいけない使命感もあり、古巣復帰を決めたようだ。

 個人的には清武の復帰以上に、ユン・ジョンファン新監督の指導力に注目している。C大阪はもともとポテンシャルを秘めたチームで、才能豊かな選手が揃っているものの、若さゆえの脆さも併せ持っていた。実際、2014年シーズンはJ1で17位に沈んでJ2に降格している。

 ボランチの山口蛍は安定しているが、柿谷曜一朗や杉本健勇ら攻撃陣とDF陣は調子の波が大きかった。そうしたチームに、サガン鳥栖で2011年から2014年途中まで采配を振るい、結果を残したユン監督が就任した。攻撃陣は柿谷や杉本に清武が加わったことで活性化するだろうし、課題の守備もハードなトレーニングを積んでいるので強化されるはず。個々の選手が持っているポテンシャルは高いだけに、ユン監督のもとで安定感が身につけば、上位に躍進しても不思議ではない。

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