15年前にジュビロのN-BOXが体現した「日本人らしいサッカー」 (6ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

日本らしいサッカーの理想形

 一人ひとりが技術とアイデアを駆使し、短所を補い、長所を引き出し合う。誰ひとりとしてサボらず組織的にボールを回収し、人とボールが高密度で連動したアタックを仕掛けていく――。

 それが「日本らしいサッカー」なのだとすれば、まさに2001年の磐田が見せたサッカーがそうだった。

 そこには、5年後の2006年にイビチャ・オシムが日本代表監督に就任した際に説いた「日本代表の日本化」がすでに発露していたように思える。

 鈴木政一のあとを引き継いで、2003年に監督を務めた柳下正明が振り返る。

「オシムさんも2003年からジェフの監督になったんですけど、あの年、オシムさんが『ジュビロはとてもモダンなサッカーをしている』と言ってくれたんです。形はN-BOXではなかったけれど、やっている内容は2001年と変わらなかったですから」

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