名波、福西らが推測。ジュビロのN-BOXは銀河系レアルに通用したか (7ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

仮想レアル戦について話す、現磐田の名波監督(左)と、同コーチの鈴木氏 Photo by sportiva仮想レアル戦について話す、現磐田の名波監督(左)と、同コーチの鈴木氏 Photo by sportiva いずれにしても、地元開催での優勝を狙うなら、大会初戦からベストパフォーマンスを発揮することはないだろう。ましてや、未知のチームに対して、前半は様子を見るようにして慎重に試合に入ることが予想できた。

「ベストメンバーでこないということも含めて、狙うとするならそこだよね。60分ぐらいまで0−0でいって1点取る。それで向こうに火がついて逆転されても、それはストライクゾーン。逆に守って0−0、0−1では意味がない。ベタ引きしてミス待ちのサッカーなんて、やるつもりはないから」

 名波の言葉に同調するように、鈴木秀人が言う。

「そうですね。持っているものをぶつける。下がって守っても何も得るものはない。せっかくレアルとやるからには何かを得たいので、どれだけやられようが、普通にプレーしていたと思います」

 今は解説者として活躍する福西の意見も、名波に近いものだった。

「チャンスがあるとしたら、やっぱり出鼻をくじくこと。ほら、こんな感じで試合に入り切れないことがあるから」

 視線の先にはボカ・ジュニアーズの10番、ファン・ロマン・リケルメがフリーの状態でパスを散らす、トヨタカップ序盤のシーンが流れていた。

「そうしたら、レアルは本気を出してくるでしょうね。一人ひとりの能力では絶対にかなわない。なにせ銀河系だものね。ただ、あの頃の僕らには内容と結果の両方を求めて磨かれた組織力があった。僕らの距離感でやれたら、多少は対抗できるんじゃないかっていう期待はありましたよね。でも、マサくん(鈴木政一監督)は当時、『やられていい』と言っていた。今の実力を測るんだって」

<つづく>

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