名波、福西らが推測。ジュビロのN-BOXは銀河系レアルに通用したか (6ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

 相手は世界を代表するビッグクラブのレアル・マドリードである。実力を考えれば、当然のことながら大きな差がある。

 さらに、加味すべき要件もある。

 ひとつは、ジネディーヌ・ジダンの存在だ。2000年にレアル・マドリードの会長に就任したフロレンティーノ・ペレスは、毎年ビッグネームを獲得するという公約を掲げ、その年にバルセロナからフィーゴの獲得に成功。2001年夏にはユベントスからジダンを獲得し、「銀河系軍団」の色を強めていた。

 クラブ世界選手権での磐田との一戦は、レアル・マドリードにおけるジダンのお披露目試合になった可能性が高く、おそらくスタジアムは満員に膨れ上がっただろう。だが、連係面はまったく築かれていない。そこに磐田のつけ入る隙があったかもしれない。

 実際、レアル・マドリードはこの後8月25日に開幕した2001−2002シーズンのリーガ・エスパニョーラでジダンをうまくチームに組み込めず、開幕から10試合で3勝しかあげられていないのだ。

 さらに、クラブ世界選手権はまだ第2回と歴史が浅く、"イベント"としての趣が少なくなかった。開催が予定されていた時期はレアル・マドリードにとってプレシーズンにあたり、磐田戦は大会初戦でもある。果たして、彼らがどれだけ本気で臨んだだろうか......。

 一発勝負の2000年トヨタカップでさえ、レアル・マドリードの選手たちは――むろん、長距離移動や時差ボケの影響があったに違いないが――どこか試合に入りきれずに隙を突かれ、アルゼンチン代表FWのマルティン・パレルモに、試合開始から6分間で2ゴールを奪われている。

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