Jリーグに韓国人GKブーム。日本の「守護神欠乏症」に打つ手はあるか (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 中でも、現時点で韓国代表正GKを務めるキム・スンギュは、鳴り物入りで神戸に加入した昨シーズンにファインセーブを連発し、強烈なインパクトを残した。同じく川崎のチョン・ソンリョンも、川島永嗣が去って以来、なかなか固定できなかった川崎の新守護神として高いパフォーマンスを披露。韓国代表でキム・スンギュとポジションを争うだけの実力を証明してみせた。

 C大阪のキム・ジンヒョンも現韓国代表メンバーであり、札幌のク・ソンユンは昨年のリオ五輪で韓国のベスト8進出の立役者である。要するに、現在の韓国サッカー界におけるトップレベルの5人のGKが、奇しくもJ1の舞台で顔を揃えることになったのだ。これは、「韓国人GKブーム」の到来と言っても過言ではない状況といえる。

 なぜ、これほど韓国人GKがJリーグで重宝されているのか? その背景には、外国人枠として2009年から新設されたAFC枠(通称アジア枠)と、近年における日本人GKの駒不足問題が深く関係しているとみていいだろう。

 まず、それまで基本的に3人までとされていた外国人枠(そのほか、日本で教育を受けた外国籍選手、アマチュアおよびプロC契約選手は別途2名まで登録可能)に、プラス1名のアジア枠が設けられた2009年当時、Jリーグでプレーしていた韓国人GKは、その年からC大阪(当時J2)に加入したキム・ジンヒョンぐらいだった。基本的に、多くのクラブはアジア枠をフィールドプレーヤーに適用する考え方が主流だったからである。

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