若手が猛アピール。俊輔なき横浜FMの「世代交代」は思ったより順調? (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 今回のタイ遠征を、エリク・モンバエルツ監督は次のように評価している。

「チームとしての一体感を得ること、新戦力を溶け込ませていくこと。この2点で非常にいいキャンプとなりました。若い選手たちがチームの約束事を守ろうとしてくれたこと、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたこと、インテリジェンス溢れるプレーをしてくれたことを称えたいと思います」

 中村俊輔という絶対的な存在がいなくなったなか、横浜FMは野心を持った若きタレントたちにより、新たなチーム像を作り出そうとしている。数少ない昨季の主力であるMF中町公祐も、その手応えを掴んでいた。

「今季は若い選手がたくさんいますし、こういう大会で成功体験を積み重ねるなかで、より上を目指せるような基盤を作っていきたいと思います。僕もそうですし、他にもマリノスで長い選手がいますので、そういった選手たちがマリノスの伝統を引き継ぎながら、そこに若い力をプラスして、また新しい、いいチームを作っていきたい」

 失われたものは確かに大きいが、失ったことで新たに生まれるものがある。その未来にあるのは、希望か、絶望かはまだわからない。それでも、横浜FMが新たな一歩を踏み出したことは間違いない。

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