若手が猛アピール。俊輔なき横浜FMの「世代交代」は思ったより順調? (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 特筆すべきは、スパンブリー戦で途中出場したMF山田康太の存在だ。ユース所属ながらこの遠征に参加した小柄なアタッカーは、後半からトップ下としてピッチに立つと、キレのあるドリブルと鋭いスルーパスで次々に好機を演出。遠藤の2点目を演出するだけでなく、終了間際には自らダメ押しゴールを奪っている。

「今季はフレッシュな選手が増えて、エネルギッシュにやれていると思います」

 富樫の言葉を借りるまでもなく、この2試合で横浜FMが披露したサッカーには、確かな勢いが備わっていた。その精度には、若さゆえの改善の余地がまだあるものの、「ゴールを奪う」という本質をシンプルに体現した積極的なサッカーは、素直に好感が持てるものだった。

 若手だけでなく、新加入選手たちも可能性を感じさせていた。今季、横浜FMに加入した即戦力のフィールドプレーヤーは、1月29日時点でFWウーゴ・ヴィエイラ(前レッドスター・ベオグラード)、MF扇原貴宏(前名古屋グランパス)、DF松原健(前アルビレックス新潟)、DF山中亮輔(前柏レイソル)の4人。ウーゴ・ヴィエイラがピッチに立つことはなかったが、日本人選手3人は、それぞれが出場機会を得た。

 なかでも存在感を示したのは扇原だ。初戦のバンコク・U戦では後半からピッチに立って2ゴールを演出し、スパンブリー戦でも卓越したパスワークで好機を創出した。ドリブラータイプが多い横浜FMにとって、この左利きの司令塔は、リズムを作り出すうえで貴重な存在となるだろう。

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