鹿島がタイチーム相手に前半4失点。献身性を欠いた「らしくない」初陣 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 バンコク・U戦では90分間フル出場。不甲斐なかったチームのパフォーマンスとは対照的に、攻守両面で絶大な存在感を示し、直接FKでゴールも奪った。

 ペドロ・ジュニオールは初戦の後半からピッチに立ち、2ゴールを奪う活躍を披露。コンディションは決してよかったとは言えないが、ゴール前での動きはやはり際立っており、新たなチームの得点源になり得る可能性を示した。

 一方でレアンドロは、今ひとつの出来だった。日本のチームでプレーするのが初めてということもあり、戸惑う場面はあっただろうが、「元セレソン」という肩書のわりには、そのプレーから"スーパー"な部分は感じられず、バンコク・U戦でゴールを奪ったのが唯一の見せ場だった。

 金森や三竿雄も、この2試合に限って言えばアピール不足だった。もちろん、現時点で評価するのは難しく、戦術理解を深め、コンディションを高めることが何よりも求められてくるはずだ。

 言うまでもなく、始動間もないこの時期での結果は、それほど大きな意味を持つものでもない。ただし気になったのは、やはり4失点を喫したバンコク・U戦の前半のパフォーマンスだった。

「僕たちから相手のプレーを制限して、奪うというのが本来のやり方」と石井監督が言うように、昨季、優勝の要因となった鹿島の堅守を支えていたのは、前線からの献身的な守備だった。しかし、その動きが緩慢だった前半はパスの出しどころを抑えられず、個人能力の高い相手の外国人ストライカーを自由にさせてハットトリックを許してしまった。

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