ハリルの言い訳を粉砕。鹿島・
土居聖真は日本代表の「切り札」になる

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

2017年、私のイチオシ「Jリーガー」(5)
土居聖真(鹿島アントラーズ/FW)

 ハリルジャパンについて語るとき、引き合いに出したくなるのは、昨年末に行なわれたクラブW杯だ。

 ハリルジャパンが決勝に進出し、そこでレアル・マドリード(スペイン)と接戦を繰り広げる姿を想像することはできない。タラレバ話なので、不毛の議論と言えばそれまでだが、それを承知であえて論じたくなるほど、鹿島アントラーズとハリルジャパンの間には、サッカーの質に大きな差が存在した。

 弱者が強者に向かうとき、必要な要素は何か。番狂わせに必要な条件を、R・マドリード戦で提示した鹿島。要するに、格上と対戦するW杯本番で、ダークホースになり得そうな好チームぶりを発揮した鹿島に対し、ハリルジャパンはその可能性を示せずにいる。格下に苦戦する姿ばかりを露呈している。

 ハリルホジッチは言う。「本田圭佑の代わりに誰がいるのか?」と。「海外組とJリーガーとの間には大きな差がある」とも。

 だが鹿島は、その言説に真っ向から反対するようなメンバーで、R・マドリードを震え上がらせるような戦いをした。ハリルホジッチが言うところのレベルの低いJリーガー組で固めながらも、W杯で言えば、優勝候補の本命に対し、敢然と対峙した。W杯本番で見たいと言いたくなるような見事なサッカーで。

 疑問を抱きながらも受け入れてきたハリルホジッチの言説が、崩れた瞬間といっても言いすぎではない。

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