広島の攻撃スタイルにピッタリ。工藤壮人は佐藤寿人の後継者となる (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「自分で決めるんだという強い気持ちが、工藤君のプレーからは感じられるんです。僕自身、これまでいろんなFWを見てきましたが、優れたストライカーというのはそういうメンタリティを備えている。常に点を獲らなければいけないというプレッシャーと戦っているし、それは僕も同じ。たぶん、工藤君もそうでしょう」

 一方で、工藤は佐藤のプレーを参考にしていると明かしていた。

「ゴール前でのポジショニングだったり、動き出しだったり。実は対戦しているときも、ウチ(柏)が攻められている場面では寿人さんの動きを見ているんですよ」

 佐藤は工藤を認め、工藤は佐藤をリスペクトしていた。後出しで恐縮だが、そのとき思ったのは、佐藤の後を継ぐのは工藤のような選手なんだろうな、ということ。○藤○人――、そういえば名前も似ているな、なんてしょうもないことを思ったりもしたのだが......。

 工藤は2013年に柏で19ゴールを挙げている。したがって、世間にインパクトを与えるためのノルマは20ゴール以上となるだろうか。この数字を実現したとき、工藤は大久保と同じ道を辿り、佐藤の後継者として認められることになるはずだ。日本を代表するふたりのストライカーを継ぐ者として、2017年、工藤はその第一歩を踏み出す。

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