すべてはレアルを倒すために。ジュビロ黄金期の「N-BOX」とは何か

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

短期連載・今こそ「ジュビロ磐田のN-BOX」を考える(1)

 2016年12月18日に行なわれたクラブ・ワールドカップ決勝。レアル・マドリードと対戦した鹿島アントラーズが、延長戦までもつれ込む好勝負を演じたことは、記憶に新しい。

だが、今から15年前にも、国際大会でレアル・マドリードに真剣勝負を挑もうとした日本のクラブが存在した。今なお「Jリーグ史上最強のチーム」との呼び声が高い、2001年のジュビロ磐田である。

 その年の夏に開催されるクラブ世界選手権への出場が決まっていた磐田は、レアル・マドリードとの対戦に備え、革新的な戦術・システムを編み出すのだが――。

 これは、幻に終わった世界へのチャレンジと、日本サッカーの理想形を体現してみせた男たちの物語である。

国立で産声をあげた「N-BOX」

 澄み切った国立競技場の空に、サックスブルーの凱歌が響きわたった。

 2001年4月7日、J1リーグ・ファーストステージ第4節。リーグタイトル奪還に燃えるジュビロ磐田が、前年の三冠チャンピオンである鹿島アントラーズを下して開幕4連勝を飾った。

鹿島戦に臨んだジュビロのスターティングメンバー photo by AFLO鹿島戦に臨んだジュビロのスターティングメンバー photo by AFLO スコアは2−1と僅差だったが、内容は磐田の圧勝。当時、試合後のミックスゾーンでさほど多弁ではなかった名波浩を「鹿島に対して、これまでで一番気持ちのいい勝ち方ができた」と饒舌にさせるほどの完勝だった。

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