明暗分けた優勝候補。青森山田は苦杯をなめた東福岡を教訓にできるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 東福岡はこの試合に限らず、今大会を通じて、どこか波に乗り切れなかった。高い能力の片鱗こそうかがわせたものの、本来の力を発揮できないまま、ついに準々決勝で姿を消すこととなった。

 前回王者の東福岡が涙を飲んだ一方で、きっちりと準々決勝を勝ち上がったのが、もうひとつの優勝候補、青森山田(青森県)である。

正智深谷を下して4強入りを決めた「東の雄」青森山田正智深谷を下して4強入りを決めた「東の雄」青森山田「前の2試合とは違って硬さがあり、青森山田のサッカーとは言えない内容だった。思った以上に体が動かなかった」

 試合後、青森山田の黒田剛監督がそう語ったように、こちらもまた、3-1で勝利したとはいえ、盤石の試合内容とは言い難かった。相手の正智深谷(埼玉県)にスピードある効果的な攻撃を許す場面も多く、青森山田側から見れば、攻勢に試合を進めている割には、落ち着かない展開が続いた。

 それでも効率よくゴールを重ね、後半61分までに3-0。さすがは優勝候補ではあったが、大量リードに「選手が横着を始めた」と黒田監督。CKから1点を失い、目標だった「無失点優勝」の可能性も消滅した。準決勝進出を決めたものの、横着の代償は高くついた。

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