福田正博が提言。日本に合ったサッカー構築へ、代表監督の任期を見直せ (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO


 その約20年間で、日本代表は強くなっているのか。少なくとも、「日本らしいサッカー」を構築し、世界トップレベルの国々との実力差を縮めたようには思えない。

 確かに、他国の代表監督もW杯を基準にして4年周期で交代するケースは多いが、それに同調する必要はない。世界に目を向ければ、長期政権で結果を残している監督もいる。ドイツ代表を率いるヨアヒム・レーヴ監督がそのいい例だろう。

 レーヴ監督は、2004年にユルゲン・クリンスマン監督のもとでドイツ代表のヘッドコーチに就任し、2006年W杯ドイツ大会終了後に監督に昇格。そこから10年以上にわたって指揮し、多くの若手選手を代表チームで起用しながらチームの強化を行なってきた。その結果、EURO2008で準優勝、2010年W杯南アフリカ大会とEURO2012で3位、2014年W杯ブラジル大会で優勝、EURO2016でベスト4と素晴らしい成績を残している。

 レーヴ監督だけではない。昨年までデンマーク代表を率いたモアテン・オルセン監督の在任期間は、実に15年に及んだ。2000年に就任し、2002年W杯日韓大会ではグループリーグでウルグアイやフランスに勝利してベスト16入りするなど、チームをW杯とEUROの本大会に2度ずつ導く功績を残した。

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