高校サッカー8強。「大本命」東福岡に付け入るスキはないのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 おそらく森重監督の言葉も、単に「勝って兜の緒を締めよ」という意味合いだけではない。少なからず不安を感じているからこそ出たものだろう。

 そんな東福岡が準々決勝で対戦するのは、東海大仰星(大阪府)である。技術的にはそれほど高いとは言えないが、球際の争いに強く、激しくボールに寄せられる好チームだ。

厳しいチェックを繰り返して相手の攻撃を封じる東海大仰星厳しいチェックを繰り返して相手の攻撃を封じる東海大仰星 力強くボールを奪い取り、愚直に前へ運ぶ。2-0で勝利した3回戦の富山第一(富山県)戦での決勝点も、多くの選手がゴール前になだれ込むような迫力ある攻撃で奪い取ったものだ。

「東福岡は高校サッカー界で先頭を走っているチーム。個人の力でも、組織の力でも群を抜いている」

 東海大仰星の中務雅之監督もそう認めるように、実力は間違いなく東福岡が上。だが、華麗なパスワークで対抗することはできなくとも、80分間足を止めずに粘り強く相手にプレッシャーをかけ続けることができれば、ディフェンディングチャンピオンを慌てさせることは十分に可能だ。

 仮に先制されたとしても、粘り強く戦い、追加点を許さなければ、どこかで東福岡が緩む時間が生まれてくるはず。もしもピッチ上をボールが大きく動かず、中盤でゴチャつく展開が多くなるようなら、試合は間違いなく東海大仰星のペースである。

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