高松大樹が語るトリニータ愛。
「本音を言えばJ1に上げて引退したかった」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sportiva

「本音を言えば、J1にまで上げてから引退したかった。初めてJ2に落としたときは自分がキャプテンだったし、そこから這い上がらないといけないなかで、さらにJ3に落としてしまって......。やっぱりJ1に戻してから、幕を下ろしたかった。そこはひとつの悔いですね」

 17年間にわたる現役生活で、高松はJ1通算195試合・45得点、J2通算162試合・29得点、J3通算8試合・1得点を記録。2004年にはアテネ五輪に出場し、日本代表キャップもふたつ刻んでいる。大分でもっとも活躍したストライカーとして、クラブの歴史にその名は刻まれるだろう。

 高松にとって幸運だったのは、入団当初、大分というクラブがまだ発展途上にあったことだ。当時の大分はJ2に在籍し、J1へと這い上がろうとする気概に満ち溢れていた。

「大分に入れたのは、僕にとっては本当によかったと思いますよ。1年目から少し試合に出してもらって、2年目の途中にサテライトの監督だった(小林)伸二さんが監督になった。それまでは僕も、まだサテライトが主だったんですが、伸二さんがそのまま上でも使ってくれるようになったんです。そういう意味では、2年目が僕にとっては大きかったですね」

 高松が3年目の2002年、小林伸二監督(現:清水エスパルス)に率いられた大分はついに念願のJ1昇格を果たす。高松自身も途中出場が多かったとはいえ、6得点を挙げて昇格に貢献した。

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