「1位なら最大15億円」の強化配分金は、Jリーグをどう変えるのか (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 従来は、例えば2015年度の配分金を例にとると、J1での最高額は、前年のリーグ覇者であるガンバ大阪と同2位の浦和レッズの2億7000万円。一方、最少額は同4位の柏レイソルと同13位のヴァンフォーレ甲府の1億8600万円で、その差は8400万円しかなかった。

 これでは、J1優勝を目指して多くの資金を費やすよりも、J2に降格しない程度に強化費を抑えたほうが得策ということになる。クラブにチーム強化を放棄させかねないようなシステムが、結果的にリーグ全体のレベルアップを妨げ、停滞を招いているようにも思える。

 配分金に差が生じることによって、ホームタウンの人口やスポンサーが限られる地方クラブは打撃を受けることになる。将来的に倒産するクラブが出ることは避けなければならないが、地方クラブで活躍した選手が上位クラブに移籍するという、選手のキャリアアップの道はより明確になるだろう。

 その流れがクラブ経営面に携わる人たちにも反映され、全クラブの「スタッフのプロフェッショナル化」が進むことにも期待したい。

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