バスク代表監督がレアル戦の鹿島を激賞。「敗れざる者の誇りを見た」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「鹿島は失点後の20分間近く、攻撃を展開した。スピード、精度が一気に高まり、主に右サイドからレアル・マドリードを混乱させている。クロスのこぼれを小笠原がミドルで狙い、コンビネーションプレーから抜け出した西大伍が際どいクロスを送り、遠藤がPASILLO INTERIORに入って、右足でシュート。ときには、クリスティアーノ・ロナウドも含めてマドリードの選手全員を陣内に押し込んだ。

 攻め立てる鹿島だが、守備のバランスも崩していない。ボールの出どころへのプレス(土居と金崎)、サポート、マークの受け渡し、戦術的動きが実に円滑。小笠原と永木はそれぞれの持ち場に入ってくる選手を追うが、2人は常に良好な相互関係を保っていた。1対1でも、DF陣はレアル・マドリーFW陣の"速い足の動き"に惑わされていない。壁パスでの侵入に対しても、鹿島の選手の反応は速く、予測ができていた。CKの守備も、曽ヶ端の判断や処理などを含めて質が高かった」

 善戦する鹿島は、前半44分、後半7分と立て続けに得点。とうとう逆転に成功している。

「鹿島の同点のシーンはカウンターの流れだった。自陣からのロングパスを土居がポストで落とし、それを受けた金崎が力強く抜け出すが、ここはシュートまで至らず。クリアされたボールを再び永木が拾い、左サイドの土居に預ける。土居はフェイントを入れ、エリア内でポジションを取っていた柴崎にクロス。柴崎はラファエル・ヴァランを振り切って、左足でGKを破った。

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