「鹿島は賢い」スペインサッカーの重鎮が、クラブW杯を詳細に分析 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「PKのシーンは、ナシオナルの選手が西大伍を引っかけたという判定だが、西自身はオフサイドの位置にいた。その直前までボールに関与していない、という公式見解だが、彼がボールを追っているのは間違いない。微妙なジャッジだった。そもそも得点を阻止した反則なら、ナシオナルの選手にカードが出されるべきだが、出ていない。審判にも迷いがあったのだろう」

 運を味方にした鹿島だが、ナシオナルのさらなる圧力に晒(さら)される。

「鹿島はナシオナルのMFマテウス・ウリベの攻め上がりに苦しんだ。右ボランチの位置から2列目に積極的に侵入、これをつかまえきれない。さらに、ベリオのヘディングシュートがポストを叩き、追い詰められている。

 しかし後半になって、選手交代で流れが変わった。

 鹿島は54分に赤崎秀平→金崎夢生、58分に小笠原満男→永木亮太と、疲れの見えた同ポジションの2人を交代。一方、ナシオナルはアレハンドロ・ゲラ、クリスティアン・ダホメと攻撃色の強い交代カードを切った。鹿島はシステムを変えなかったが、追いつく必要があるナシオナルは片方のSBが高い位置を取って、FWの枚数も増え、3-4-3、あるいは3-3-4のような不規則な陣形になる。

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