「鹿島は賢い」スペインサッカーの重鎮が、クラブW杯を詳細に分析 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「鹿島は4-4-2、ナシオナルは4-2-3-1の形で組み合っている。鹿島の2トップは、数的不利の中でも前線を走り回り、ボールの出どころにフタをした。FWは90分間を考えず、ガソリンがなくなるまで走るプランだったに違いない。2トップの猛追によって、鹿島の守備ブロックは安定を得ていた。

 劣勢ながらも鹿島は攻防を繰り返し、最初にチャンスを作っている。前半5分、CKから山本脩斗が際どいヘディングシュート。山本は守備ではチーム一脆かったが、攻撃センスで挽回していた。また、前半18分には柴崎岳が相手の裏を取るようなドリブルでバックラインの隙間を突破。高い技術を用い、鮮やかなプレーだったが、GKとの1対1は防がれている」

 前半24分、ナシオナルは左サイドからフオン・モスケラの左足シュートがバーを叩き、それを拾ったオルランド・ベリオもシュートを枠に入れた。

「鹿島のディフェンスはこの場面でも、集中を切らしていない。昌子源はGKが出た後のポジションをカバーし、ヘディングでクリア。出色のディフェンスだった」

 そして前半30分すぎ、鹿島はビデオ判定によってPKを得て、土居聖真が先制点を決めている。

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