ジュビロ名波監督が語る理想の攻撃
「パス600本、ゴールまで16秒」

  • 浅田真樹●構成 text by Asada Masaki
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

――ずっと言い続けてきた課題とは、どんなことですか。

「春先から言ってきたのは、『奪ったあとのファーストプレー』。あとは『球際』と『クリア』。この3つのプレーの質は、年間を通してよくなってきました。加えて、セカンドステージが始まる前に言ったのは、『(パスを)入れてほしいタイミングでパスを入れてあげよう』ということです。ファーストステージでは、パスを出すタイミングを逃すというか、チャンスを逃しすぎているところがありましたから。

 チャンスを逃すというのは、いわゆる"決定機を外す"ということではなくて、『なんかここをくすぐったら、ものすごいチャンスになるのにな』っていうチャンスを、逃しているというような意味合いですね。どうしても順位が落ちてくると、プレーの選択がセーフティに、セーフティになってしまう。縦にいけばいいのに、横に逃げちゃったり、横に運べばいいのに、後ろに下げちゃったり。この4つくらいの課題は、最後までずっと言い続けていましたね」

――少し気が早いですが、来季の目標をうかがいたいと思います。今年は「勝ち点40」という数字を挙げ、J1残留を目標にしていました。

「残留できたことはよかったのですが、勝ち点40に届かなかったのは残念です。ただ、うちはセカンドステージで8敗したのですが、年間王者となった鹿島アントラーズも9敗しているんです。もちろん、うちより勝ち切っている試合が多いので勝ち点は多いのですが、負け数はひとつしか変わらない。だから、今のJ1は本当に難しいリーグですよね。何が起こるかわかりません」

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