2016.12.20

石井監督を讃えよう。レアルも驚く鹿島の「攻めながら守る」サッカー

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 サイド攻撃だ。その折り返しをゴールに結びつけている。例の小笠原の惜しいミドルシュートも、柴崎の右ゴールライン際からの深々とした折り返しからだった。

 Jリーグチャンピオンシップしかり。準決勝(川崎戦)、決勝(浦和戦)の計3試合で挙げた3ゴール中、浦和戦のPKを除く2ゴールがサイド攻撃による産物だ。

 つまり、サイド攻撃は、鹿島がポストシーズンに入って流れの中で奪った9ゴールすべての原因になっている。それもかなり直接的な、だ。シーズンの最後に急上昇した鹿島を語る時、これは外せない要素だ。勝因としてよく語られるのは、伝統、堅守、粘り等々だが、サイド攻撃はそれらより何倍も明快。説得力がある。

 試合に目を凝らせば一目瞭然。彼らは真ん中を避け、徹頭徹尾、サイドにボールを意図的に運ぼうとする。サイドは真ん中より、相手のプレッシャーを浴びにくい場所だ。またボールを奪われても、そこは真ん中より自軍ゴールまで遠い距離にあるので、その分だけリスクが少ない。真ん中とサイドと、同じ高さで奪われたとすれば、サイドの方がはるかに安全なのだ。

 安全ルートを進みながら、チャンスを作ろうとする。奪われる場所にこだわりながら、用心しながら攻める。鹿島は攻めながら守ろうとしているのだ。