エースの造反。チームの混乱。それでもジュビロがJ1に残留できたわけ (4ページ目)

  • 浅田真樹●構成 text by Asada Masaki
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真 photo by Nikkan sports/AFLO

――前回(ファーストステージ第5節終了後)のインタビューのときに、名波監督は「ちょっとした幸運をつかむか、こぼすかが(勝敗の)カギになる」と話していました。

「本当にそうだったと思います。セカンドステージは間違いなく、その幸運をつかみ切れませんでした」

――シーズン前には「勝ち点40」という目標を掲げながら、結果的には勝ち点36でした。勝ち点「4」足りなかったのは、そうした誤算や不運が大きかったのですか。

「いや、最低でもあと勝ち点8くらいは取れたと思っています。そうすれば、勝ち点44でしたからね。その勝ち点8は、自分の采配ミスであり、判断ミス。そこは選手に申し訳なかったし、自分に責任があります」

――下との勝ち点が縮まってくると、選手は精神的に追い込まれてしまうものですか。

「それは、絶対あると思います。仮に自分たちが負けても、(残留争いをしている)他もみんな負けていれば、それほど引きずりませんから。ただ逆の場合も同じで、セカンドステージ第10節のアビスパ福岡戦でうちが勝ったときには、他がみんな引き分け以下だったので、一気にクラブ全体が『これでもう(J1残留は)大丈夫だ』といった空気になってしまった。その雰囲気に選手たちも引きずられていた感がありました。ファーストステージ最終節以来、2カ月ぶりの勝利だったので、クラブ的にはうれしかったのはあるにしても、あれはいけなかったですね(苦笑)」

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