エースの造反。チームの混乱。それでもジュビロがJ1に残留できたわけ (2ページ目)

  • 浅田真樹●構成 text by Asada Masaki
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真 photo by Nikkan sports/AFLO

「向こうのクラブから、身分照会プラスアルファーを請求するレターが届いたのは、ファーストステージの終盤を迎えた頃。それから、すぐに移籍が決まれば、まだ問題はなかったけれども、先方が正式オファーを出すのを躊躇して、なかなか交渉が進まなかった。それで、小林本人もちょっとモヤモヤしてしまった。こちらも、実際に(移籍が)決まるのか、決まったとしてもいつ決まるのかわからないから、なかなか(新たな布陣の)準備の施しようがなかったのは確か。

 まあでも、それだけならまだよかったんですけど、その時期と前後して、エースストライカーの"造反"があって......」

――そんなことがあったのですか。

「FWジェイの練習態度がすごく悪くなって、やる気もなくなり、パフォーマンスが著しく落ちてしまった。小林とジェイは、ある意味うちの"飛車角"だから、そうした状況はさすがに厳しかったですね。

 そんなことが重なって、風向きが悪くなってきたな、と感じていたら、セカンドステージ初戦で、案の定、サンフレッチェ広島に0-3と完敗。以降も、4試合連続で引き分けが続いた。ここで勝てなかったのが、最終的には響きましたね。そのうち、2試合くらいは勝てる内容だったから、ひとつでも、ふたつでも勝っていれば、11月にメディアで『磐田まで降格の可能性があります』なんて、言われることはなかったと思います(苦笑)」

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